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小水力発電システム

航空機の翼で発生する揚力の原理を応用し、用水路などの小さな水の流れでも発電できるシステムを開発。 初期工事が不要なため、簡易発電システムとしてキャンプ場や浄水場の排水を利用するなど、地域社会への導入や商業用としての普及が期待されます 。
岐阜県美濃市の農業用水路にて、小型カスケード水車 による 小規模水力発電システム の開発を進めています。

■日本のエネルギー事情

日本は、世界第4位のエネルギー消費国でありながら、石油、天然ガスなどエネルギー資源の自給率はわずか4%程度、残りの約96%は輸入に頼っている。また、石油、石炭等の化石燃料の埋蔵量には限界があると同時に、燃焼時に地球温暖化の原因となるCO2を排出することから、省エネ推進と共に、石油燃料に代わるクリーンな自然エネルギーの開発・導入が積極的に進められてきた。

■自然エネルギー

自然エネルギーとは、水力、風力、太陽光、バイオマス等、自然由来で環境負荷が少なく、枯渇することのない再生可能なエネルギーの総称。中でも、水力発電は今から110年以上も昔に登場し、1960年代初頭まで日本の電力供給の重要な位置を占め、現在でも、全電力量の約10%を担う。しかし大規模な発電に必要なダム建設は、膨大な資金を要すること、上流の広域な集落が水没することと共に、自然の流れを遮断することから、生態系への影響が問題となっている。

■カスケード水車

航空機の翼の原理を応用し、川の流れを受けた翼面の揚力を回転運動に変換することで発電するシステム。中小河川や農業用水で使用でき、ダムのような落差を必要としないため、装置費以外の設置費用がほとんど不要となる。

<開発の現況>

カスケード水車近年、農業の衰退に伴い農業用水の利用価値が低下していますが、そこにカスケード水車を設置することで、用水路からのエネルギー回収が可能となります。現在行なっているのは、システムの性能および耐久性の試験と、発電システム構築の土台作りを兼ねた基礎実験。これまでの性能試験で、約150Wの発電が可能であることを確認しています。

<今後の展開>

カスケード水車カスケード水車をビジネスとして発展させるためには、市場の開拓と同時に、水車から得られる電力の利用法にも工夫が必要となります。
そこで得られた電力は、周辺の家庭電力として用いることもできますが、農業用の照明をはじめ、ヒーターとしての利用も考えられます。また、電力を大規模なバッテリーに蓄えておくことで、水路の除塵装置、流量を調整する堰を動かすモーター、他の水路へ水をバイパスさせるポンプの電源としての利用も可能となります。 水車により発生する電力は、このような地産地消的な使い方が最も適しており、それは一方で、送電システムを構築するコストの削減にもなります。まずは小さな地域のモデルプラントを設置し、そこでの実証試験で得られたデータを新たな水車作りにフィードバックし、将来的にはそのプラントを広告塔として、カスケード水車の事業展開を行なっていきます。

<将来の展望>

現在、石油に代わる卓越したエネルギー源がない状況の中で、それぞれの地域にあった発電方法を模索し、電力供給を行なう必要があります。水力発電は、山に囲まれた地形と水に恵まれた自然環境にある我が国に最も適していると言えます。今後の実証試験を通じ経済性が立証できれば、コストも低く利用範囲の広いカスケード水車は、“新たなエネルギー源”として、今後のエネルギー政策に貢献できるでしょう。また、カスケード水車は設置コストが安価なことから、耐久性の問題さえクリアできれば、電力開発が遅れている山間部だけではなく、東南アジアをはじめとした発展途上国などへの展開も期待できます。これは、国際協力の立場から見ても意義のあることではないでしょうか。